インストール方法

この節では、 Robot Framework のインストール・アンインストール方法と、各種 OS で必要な準備を開設しています。基本的に、 pip をインストールしていれば、以下のように実行するだけです:

pip install robotframework

はじめに

Robot FrameworkPython で書かれており、 Jython (JVM) や IronPython (.NET) でも動作します。このフレームワークをインストールするときには、 前提条件 として、以下のインタプリタのいずれかが必要です。`

Robot Framework 自体のインストール方法には、以下のような様々な方法があります。これらについては、後の節でも説明します。

pip を使う

Robot Framework 推奨のインストール方法です。 最近の Python, Jython, IronPython には、標準のパッケージマネジャとして pip が入っています。pip が使える状態なら、単に:

pip install robotframework

とするだけです。

ソースコードから
どのオペレーティングシステムでも、どの Python インタプリタでも使える方法です。ソースコードは PyPI からダウンロードして展開したり、 GitHub リポジトリから を clone したりして取得できます。
JAR形式
Jython で実行できれば充分な場合、 Maven central からスタンドアロンの robotframework-<version>.jar を取ってくるのが一番簡単です。この JAR には、 Jython と Robot Framework が両方とも入っていて、 Java をインストールしておくだけで使えます。
手作業で
何か特別な事情があって、上の方法がどれも使えない場合には、自分で手作業で入れられます。

注釈

Robot Framework 3.0 以前のバージョンには、 32bit 版と 64bit 版の両方の Python 向けのインストーラがありました。 Python 2.7.9 からは Windows 版にも pip が入っていることや、インストーラだと Python 3 向けにも二つ必要になってしまうことから、 Windows インストーラの提供はやめました 。Windows版でも、 pip を使ったインストール を推奨します。

前提条件

Robot Framework は Python (C Python, Python 2 と 3 の両方), Jython (JVM), IronPython (.NET), そして PyPy をサポートしています。フレームワークを動かすには、あらかじめいずれかのインタプリタをインストールしておく必要があります。

一般に、どのインタプリタを使うべきかは、どんなテストライブラリやテスト環境が必要かによって変わります。ライブラリによっては、 CPython 上でしか動かないものもありますし、 Java のツールを使っているために Jython でしか動かないものや、 .NET 環境が必要なため IronPython が適している場合もあります。もちろん、どのインタプリタでも問題なく動くツールやライブラリもたくさんあります。

特殊な事情がなく、まずはフレームワークを試してみたいのなら、Python をお勧めします。Python はもっとも成熟した実装で、 Jython や IronPython よりも高速 (とりわけ、起動が速い) で、ほとんどの UNIX 系 OS 上で使えます。もう一つの選択肢は、 Java さえあれば使える スタンドアロン JAR版 です。

Python 2 か Python 3 か

Python 2 と Pyhton 3 は、言語としてはほとんど同じですが、お互いに完全に互換というわけではありません。 主な違いは、 Python 3 では、標準ではすべての文字列が Unicode 文字列型であるのに対して、 Python 2 では標準は実質 bytes 型に総統するということです。 他にも、後方互換性のない変更がいくつかあります。 2010 年にリリースされた Python 2.7 は Python 2 系の最後のリリースとされていて、2020 年までサポートされます。 Python 2 と 3 の違い、どちらを使うべきか、どちらのバージョンでも動くコードの書き方などは、 Wiki を参照するとよいでしょう。

Robot Framework 3.0 は、 Python 3 をサポートする最初のバージョンです。 このバージョンは、Python 2 もサポートしていて、 Python 2 自体が公式にサポートされている限り Python 2 に対応し続ける予定です。フレームワークのコア部分が Pyhton 3 へのサポートを始めたいま、Robot Framework のエコシステムに関わるライブラリやツールの作者にも、 Python 3 のサポートを検討していただきたいです。

Python のインストール

Linux や OS X のように、ほとんどの UNIX 系システムには、最初から Python がインストールされています。 Windows その他の環境では、 Python を自分でインストールする必要があります。 まずは http://python.org に行って、適切なインストーラをダウンロードしたり、 Python のインストール手順について詳しい情報を得るのが良いでしょう。

Robot Framework 3.0 は、 Python 2.6, 2.7, 3.3 以降をサポートしています。 ただし、 バージョン 3.1 以降で Python 2.6 のサポートを打ち切る 予定です。 古いバージョンの Python を使いたい場合、 Robot Framework 2.5-2.8 が Python 2.5 を、 Robot Framework 2.0-2.1 が Python 2.3 および 2.4 をサポートしています。

Windows では、インストール時に、インストーラを管理者モードで起動し、全てのユーザにインストールするよう推奨します。 また、環境変数 PYTHONCASEOK は設定してはなりません。

インストール後、 PATH を変更して、コマンドラインから Python コマンドと robot, rebot テスト実行スクリプト を実行できるように設定する必要があるでしょう。

ちなみに

最近の Windows 用 Pyhton インストーラには、インストールの際に PATH を設定する機能があります。この機能は標準では無効になっていて、 Customize Python の画面で Add python.exe to Path を有効にします。

Jython のインストール

Java で書かれていたり、内部的に Java のツールを使うテストライブラリを使いたい場合には、Robot Framework を Jython 上で動かす必要があります。 そのため、 Java ランタイム環境 (JRE) か、 Java 開発キット (JDK) が必要です。 ここでは、 JRE や JDK のインストール方法について説明しませんが、 http://java.com などで詳しい情報が手にはいります。

Jython のインストールはとても簡単で、まずは、 http://jython.org からインストーラを取得します。 インストーラは実行可能な JAR のパッケージで、コマンドラインから java -jar jython_installer-<version>.jar で実行します。 システム構成によっては、インストーラをダブルクリックするだけでインストールできます。

Robot Framework 3.0 は Jython 2.7 をサポートしており、これには Java 7 以降が必要です。 古い Jython や Java が必要なら、 Robot Framework 2.5-2.8 が Jython 2.5 (Java 5 以降)、Robot Framework 2.0-2.1 が Jython 2.2 をサポートしています。

Jython をインストールしたら、 PATH を変更して、コマンドラインから Python コマンドと robot, rebot テスト実行スクリプト を実行できるように設定する必要があるでしょう。

IronPython のインストール

IronPython を使えば、 Robot Framework を .NET platform 上で動かしたり、 C# や他の .NET 言語とその API にアクセスできます。 サポートしているバージョンは IronPython 2.7 のみです。

IronPython を使う場合、 elementtree モジュールの 1.2.7 プレビューリリース版が必要です。というのも、 IronPython の配布物に入っている elementtree の実装は 壊れている からです。 elementtree をインストールするには、ソース配布物をダウンロードして解凍し、解凍先ディレクトリで ipy setup.py install を実行します。

IronPython をインストールしたら、 PATH を変更して、コマンドラインから Python コマンドと robot, rebot テスト実行スクリプト を実行できるように設定する必要があるでしょう。

PATH の設定

環境変数 PATH は、システム上でコマンドを実行するときに、コマンドの実行ファイルがある場所を探すのに使うリストです。 コマンドプロンプトから Robot Framework を簡単に使うには、 テスト実行スクリプト <runner scripts> を PATH に入れておくよう勧めます。 インタプリタも PATH に入れておけば実行が楽です。

Python を UNIX 系のマシンで使う場合、 Python 自体とスクリプトは自動的に PATH 上のどこかに置かれるので、特に作業は必要ありません。 Windows などのシステムでは、 PATH を別途設定する必要があります。

ちなみに

最新の Windows 向け Python インストーラには、インストール処理中に PATH を設定する機能があります。 この機能はデフォルトでは無効になっていて、 Customize Python の画面で Add python.exe to Path を有効にする必要があります。 有効にすると、Python のインストールディレクトリ直下と Scripts ディレクトリの両方が PATH に追加されます。

どのディレクトリを PATH に追加すればいいの?

どのディレクトリを PATH に追加すればよいかは、使っているインタプリタや OS によって違います。 最初に追加すべきは、インタプリタのインストール先 (C:\Python27 など) で、もうひとつはスクリプトのインストール先です。 Windows 用の Python と IronPython は、スクリプトをインタプリタのインストールディレクトリの下の Scripts (C:\Python27\Scripts など) に置きます。 Jython は、オペレーティングシステムに関係なく、 bin を使います (C:\jython2.7.0\bin など)。 Scriptsbin は、インタプリタのインストール時にはなく、 Robot Framework やその他のサードパーティモジュールのインストール時に作成されるかもしれません。

Windows の PATH の設定

Windows では、以下の手順で PATH を設定します。 設定に使うメニューなどの名前は、 Windows のバージョンによって多少違うこともありますが、基本的なアプローチは同じです。

  1. コントロールパネルから、「システムとセキュリティ」の「システム」メニューを選び、「システムの詳細設定」パネルで「環境変数」ボタンを押します。 「ユーザー環境変数」と 「システム環境変数」がありますが、これはサインイン中のユーザだけの設定か、全てのユーザに影響する設定かの違いです。
  2. 既存の PATH の値を変更するには、リストから PATH の項目を選んで、「編集 (E)」ボタンを押します。 表示されたダイアログで、「変数値」の一番最後に、「 ;<インタプリタのインストールディレクトリ>;<スクリプトのインストールディレクトリ> 」 の形式でパスを追加します (例: ;C:\Python27;C:\Python27\Scripts)。セミコロン (;) は重要なので忘れないようにしてください。 リストに PATH がなく、新たに設定したいときは、「新規 (N)」ボタンを押して、ダイアログに変数名 PATH と変数値を入力します。 このときは、先頭のセミコロンは要りません。
  3. ダイアログを「OK」ボタンで閉じて、変更を適用します。
  4. 新しくコマンドプロンプトを起動すると、変更が適用されます。

複数のバージョンの Python をインストールしている場合、 robotrebot テスト実行スクリプト は、常に PATH 上で 先に 登場する Python インタプリタを、テスト実行スクリプトのパスがどこにあるかは関係なく使おうとするので注意してください。 インタプリタを指定して実行したければ、 C:\Python27\python.exe -m robot のように、 インストールした robot モジュールを直接実行 してください。

また、 PATH に設定するときは、("C:\Python27\Scripts" のように ) 値をクオートで囲ってはなりません。 クオートすると、 Python プログラムの実行がうまくいかない ことがあります。 Windows では、ディレクトリパスにスペースが入っていても、クオートは必要ありません。

UNIX系システムでの PATH の設定

UNIX系システムでは、通常、システム全体設定用または個別ユーザ設定用の設定ファイルを編集する必要があります。 どのファイルを編集すべきかは、システムによって異なります。そのため、詳しくは OSのドキュメントを参照してください。

https_proxy の設定

PIP でインストール する場合、環境変数 https_proxy を設定する必要があります。 この環境変数は、 pip 自体のインストールと、 Robot Framework や他の Python パッケージインストールに必要です。

https_proxy の設定方法は、 PATH の設定 と同様、 OS によって異なります。 変数の値は、通常は http://10.0.0.42:8080 のようにプロキシの URL です。

pip のインストール

pip は Python 標準のパッケージマネジャですが、他にも Buildouteasy_install があります。 このドキュメントでは pip でのインストール手順しか解説しませんが、他のパッケージマネジャでも Robot Framework をインストールできます。

最新の Python , Jython, IronPython には、 pip がバンドルされています。 どのバージョンの Python に pip が入っているか、使えるようにする方法などは、以降の節で解説します。 pip の最新版が必要なときは、 pip のプロジェクトページを参照してください。

注釈

pip でインストールできるのは、Robot Framework 2.7 以降からです。 それ以前のバージョンのインストールは、ソースコードからのインストールなど、他のアプローチが必要です。

Python に pip を入れる

Python 2.7.9 からは、標準の Windows インストーラは pip を自動でインストールして有効にします。 PATH と、必要に応じて https_proxy が正しく設定されていていれば、 Python をインストールした後、すぐに pip install robotframework で Robot Framework をインストールできます。

Windows 以外のプラットフォームや、古いバージョンの Python では、 pip を自分でインストールせねばなりません。 Linux で、 Apt や Yum のようなパッケージマネジャが使えるなら、パッケージマネジャで pip をインストールできます。 とはいえ、 pip はいつでも pip のプロジェクトページから手動でインストールできます。

複数のバージョンの Python をインストールしていて、それぞれに pip をインストールしている場合、実行される pip コマンドは、 PATH 上で最初に見つかったものです。 pip を動かす Python のバージョンを特定したければ、その Python を使って pip モジュールを呼び出してください:

python -m pip install robotframework
python3 -m pip install robotframework

Jython に pip を入れる

Jython 2.7 には pip がバンドルされていますが、有効にするには以下のコマンドを実行せねばなりません:

jython -m ensurepip

Jython は pip を <JythonInstallation>/bin ディレクトリにインストールします。 他の Python の pip が入っている場合、 pip install robotframework で Jython 上にインストールできるかどうかは PATH の設定次第です。 pip を使う Jython を特定したければ、以下のように Jython から pip モジュールを呼び出します:

jython -m pip install robotframework

IronPython に pip を入れる

IronPython には、 バージョン 2.7.5 から pip がバンドルされています。 Jython と同様、まず有効にする必要があります:

ipy -X:Frames -m ensurepip

IronPython の場合、pip を有効にするときも、使うときにも -X:Frames コマンドラインオプションが必要なので注意してください。

IronPython は pip を <IronPythonInstallation>/Scripts ディレクトリに配置します。 他の Python の pip が入っている場合、 pip install robotframework で IronPython 上にインストールできるかどうかは PATH の設定次第です。 pip を使う IronPython を特定したければ、以下のように IronPython から pip モジュールを呼び出します:

ipy -X:Frames -m pip install robotframework

バージョン 2.7.5 以前の IronPython は pip をサポートしていません。

pip を使う

pip をインストールしたら (そして、プロキシの下にいる場合は https_proxy を設定したら)、あとの使い方はとても簡単です。 最も簡単な使い方は、 pip に全てお任せして、 Python Package Index (PyPI) から必要なパッケージを見つけてダウンロードさせ、インストールさせるというものですが、 pip には PyPI 上の個別のパッケージを指定してインストールする機能もあります。 基本的な使い方は下記の通りで、 pip のドキュメントにはより詳しい説明やサンプルがあります。

# 最新版をインストールする
pip install robotframework

# 最新版にアップグレードする
pip install --upgrade robotframework

# 特定のバージョンをインストールする
pip install robotframework==2.9.2

# 別途ダウンロードしたパッケージをインストールする (ネットワーク接続不要)
pip install robotframework-3.0.tar.gz

# アンインストール
pip uninstall robotframework

pip 1.4 以降からは、デフォルトの設定で安定版しかインストールしないので注意してください。 アルファ・ベータ版やリリース候補版をインストールしたいなら、バージョンを明示するか、 --pre を使ってください:

# 3.0 beta 1 を入れる
pip install robotframework==3.0b1

# 最新版がプレリリース版でもインストールする
pip install --pre --upgrade robotframework

ソースからインストールする

このインストール方法は、どの OS でも利用でき、全ての Python インタプリタに対応しています。 インストールを ソースから なんて怖そうですが、実際のところはとても単純です。

ソースコードを手に入れる

ソースコードは通常、 .tar.gz 形式の ソース配布パッケージ をダウンロードして手に入れます。 新しいパッケージは PyPI にもありますが、バージョン 2.8.1 以前のバージョンは Google Code のダウンロードページ から手に入れねばなりません。 パッケージをダウンロードしたら、ファイルをどこかに展開してください。 robotframework-<version> という名前のディレクトリができるはずです。 このディレクトリには、インストール作業に必要なソースコードとスクリプトが入っています。

ソースコードは、プロジェクトの GitHub リポジトリ から直接入手する方法もあります。 GitHub では最新のコードを配布していますが、リリースバージョンやタグを指定して、特定のバージョンにスイッチできます。

インストール

ソースコードからのビルドには、Python標準の setup.py スクリプトを使います。このスクリプトはソースコードの入ったディレクトリに置かれていて、コマンドラインからインタプリタで実行して使います:

python setup.py install
jython setup.py install
ipy setup.py install

setup.py スクリプトには様々な引数を指定できます。たとえば、デフォルトのインストール先以外を指定して、管理者権限をもたなくてもインストールできます。 詳しくは python setup.py --help を実行してみてください。

スタンドアロンの JAR 配布物

Robot Framework は、スタンドアロンの Java アーカイブとしても配布されています。この配布物には Jython と Robot Framework の両方が入っているので、 Java さえあればインストールできます。 JAR でのインストールは、ひとつのパッケージで必要なものが全て手に入るところですが、通常の Python インタプリタが使えないという欠点もあります。

パッケージのファイル名は robotframework-<version>.jar の形式で、 Maven central から入手できます。パッケージをダウンロードしたら、以下のように実行してください:

java -jar robotframework-3.0.jar mytests.robot
java -jar robotframework-3.0.jar --variable name:value mytests.robot

Rebot を使って 出力のポストプロセス を実行したい場合や、組み込みの サポートツール群 を使いたければ、 rebot, libdoc, testdoc, tidy といったコマンド名を JAR ファイルの最初の引数に指定します:

java -jar robotframework-3.0.jar rebot output.xml
java -jar robotframework-3.0.jar libdoc MyLibrary list

各コマンドの詳しい説明は、引数なしで JAR コマンドを実行すると表示されます。

スタンドアロン JAR 版は、バージョン 2.9.2 から、 Python の標準ライブラリと Robot Framework モジュールの他に、 yaml でかかれた変数ファイルを扱うための PyYAML が入っています。

マニュアルインストール

Robot Framework のインストールを自動で行いたくない場合、以下のステップでマニュアルインストールできます:

  1. ソースコードを入手します。コードは全て、 robot というディレクトリ (Python パッケージ) に入っています。 ソースコード配布物 がある場合か、バージョン管理システムからチェックアウトした場合は、 src ディレクトリ下にあります。
  2. ソースコードを任意の場所にコピーします。
  3. テストの実行方法 を決めます。

インストール内容を確認する

インストールがうまくいったら、 テストランナースクリプト--version オプション付きで実行でき、 Robot Framework とインタプリタのバージョンが表示されるはずです:

$ robot --version
Robot Framework 3.0 (Python 2.7.10 on linux2)

$ rebot --version
Rebot 3.0 (Python 2.7.10 on linux2)

ランナースクリプトが「コマンドがありません」のようなメッセージで失敗する場合は、まず PATH の設定が正しいか調べてみてください。 解決しなければ、このドキュメントの関連する節をもう一度読み、インターネットで robotframework-users <http://groups.google.com/group/robotframework-users/> メーリングリストなどに助けを求めてください。

ファイルのインストール先

自動インストーラを使った場合は、 Robot Framework のソースコードは、サードパーティの Python モジュールのインストール場所に置かれています。 UNIX 系の OS では、たいてい Python はプリインストールで、その場所はさまざまです。 Windows でインタプリタを自分でインストールしたなら、 C:\Python27\Lib\site-packages のように、インタプリタをインストールしたディレクトリの下にある Lib/site-packages です。 Robot Framework 本体のコードは robot という名前のディレクトリ下に収まっています。

Robot Framework の 実行スクリプト は、コードとは別に、プラットフォームごとに異なる場所に作成されます。 UNIX 系のシステムであれば、通常は /usr/bin/usr/local/bin です。 Windows や Jython, IronPython の場合は、スクリプトはインタプリタのインストールディレクトリの下の Scripts または bin ディレクトリに配置されます。

アンインストール

Robot Framework のアンインストールには、 pip を使うのが一番簡単です:

pip uninstall robotframework

pip のいいところは、ソースコードからインストールしたパッケージもアンインストールできるところです。 pip が使えないか、特定の場所に 手作業でインストール した場合には、 どこにファイルをインストールしたか を調べて、手作業で削除してください。

PATH などの環境変数を変更したのなら、別途元に戻してください。

アップグレード

pip を使っているなら、新しいバージョンへのアップグレードは --upgrade を使います。 バージョンを指定して特定のバージョンへの変更もできます:

pip install --upgrade robotframework
pip install robotframework==2.9.2

pip を使っている場合、以前のバージョンは自動的にアンインストールされます。 ソースコードからインストール した場合、既存のインストールに上書きしてかまいません。 何か問題があれば、一旦 アンインストール してからインストールしなおすとうまくいくでしょう。

Robot Framework をアップグレードする場合、以前のバージョンと互換性のない変更のために、既存のテストやテスト環境に影響が及ぶかもしれません。 そのような変更は、 2.8.7 や 2.9.2 のようなマイナーバージョンではほとんどありませんが、バージョン 2.9 や 3.0 といったメジャーバージョンの変更ではよくあります。 互換性のない変更や撤廃された機能についてはリリースノートに記載してあるので、メジャーバージョンを切り替えるときにはよく調べておいてください。

Robot Framework の実行

robotrebot スクリプトの実行

Robot Framework 3.0 から、 robot スクリプトでテストを実行して、 rebot スクリプトで結果を処理できるようになりました:

robot tests.robot
rebot output.xml

これらのスクリプトは、通常のインストール手順でインストールされ、 PATH が正しく設定されていれば直接実行できます。 スクリプトは Python で実装されています。ただし、 Windows では起動用のバッチファイルもあります。

以前のバージョンの Robot Framework には、 robot スクリプトがなく、 rebot ツールも別途 Python を使ってインストールせねばなりませんでした。 その代わり、テストの実行は pybot, jybot, ipybot で行い、テスト結果のポストプロセスには jyrebotipyrebot を使っていました。 これらのスクリプトは、現在の Robot Framework でも使えますが、将来は廃止される予定です。

robot モジュールの実行

テストを実行するもう一つの方法は、インストール済みの robot モジュールや、サブモジュールの robot.run を、 Python の -m コマンドラインオプション で実行するやりかたです。 この方法は、複数のバージョンの Python で Robot Framework を実行したい場合に特に便利です:

python -m robot tests.robot
python3 -m robot.run tests.robot
jython -m robot tests.robot
/opt/jython/jython -m robot tests.robot

python -m robot は、 Robot Framework 3.0 で新たに使えるようになった書き方です。 以前のバージョンでは、 Python 2.6 以降であれば、 python -m robot.run で実行できます。

テスト結果出力のポストプロセスも同じやりかたで実行できますが、モジュール名は robot.rebot です:

python -m robot.rebot output.xml

robot モジュールのインストールディレクトリを指定して実行する

Robot Framework のインストール先が分かっていれば、 robot ディレクトリや run.py ファイルの場所を直接指定して実行できます:

python path/to/robot/ tests.robot
jython path/to/robot/run.py tests.robot

ディレクトリ指定は Robot Framework 3.0 で登場したやり方で、以前のバージョンでは robot/run.py ファイルを指定してください。

同様に、ポストプロセスも robot/rebot.py ファイルの指定でできます。

python path/to/robot/rebot.py output.xml

この方法での実行は、Robot Framework を 手作業でインストール した場合に便利です。